移転を機にABWを導入し、新しい働き方へ挑戦することから、プロジェクト開始当初は先方がその光景を実現できるか不安になることもあったと思います。納得感をもって、今後の働き方選択していただくための提案を心掛けました。設計者としての描く未来と、働く側のリアルな声。互いに意見を交わしながらその調整をするのが毎回楽しく、充実した時間でした。
あらゆる業種の事業者向けに間接資材の通販を行うBtoBプラットフォームを運営する株式会社MonotaROの本社移転プロジェクト。我々はインテリアデザインを担当しました。
飛躍的に成長を遂げているMonotaROが求める環境を構築するために、ワークプレイスサーベイ/ワークスタイルサーベイを実施して課題を可視化。さらにプロジェクトマネジメントを担当する企業と共に、役員インタビューや従業員とのディスカッションを行いました。それらの結果を踏まえ、「リアルな空間でコミュニケーションをとることで互いに学び、成長していく場」という本プロジェクトの方針策定をしました。
セレンディピティを誘発する、心地良い住処=「POCKET(ポケット)」。
2フロアに分かれたオフィスに、上下階の繋がりを促進させる内部階段を構築することによって、人の流れをつくっています。そして、その階段の近くに人々が集う核となるカフェラウンジを設けることにより、セレンディピティを高め協創しやすい環境を整えました。
コンセプトとして掲げたのは、 “心地良い住処”のような空間=「POCKET(ポケット)」。カフェラウンジを中心に計画された執務エリア、その回遊動線上に「POCKET(ポケット)」と呼ばれる、ミーティングスポットを点在させることで、部門の垣根を超えたコミュニケーション、人の気配を感じる心地よさを誘発しています。
多様な設えのミーティングスポットは、必要な会議室数を元に、機密性などそれぞれの用途を再定義し計画されました。従来にはない、新たな用途を提案するなど「POCKET(ポケット)」を通じて、働き方が広がることを期待しています。
移転を機にABWを導入し、新しい働き方へ挑戦することから、プロジェクト開始当初は先方がその光景を実現できるか不安になることもあったと思います。納得感をもって、今後の働き方選択していただくための提案を心掛けました。設計者としての描く未来と、働く側のリアルな声。互いに意見を交わしながらその調整をするのが毎回楽しく、充実した時間でした。
オフィスの面積も大きく、多岐にわたる確認点がありました。そのひとつずつを、妥協なくおさえていった結果、全員の想いが詰まったプロジェクトになったと思います。クライアントを含む関係各社が集まる定例ミーティングでは東京・大阪の距離を感じさせないほど良いチームワークが築け、各参加者の熱意が高い状態でプロジェクトを進行できたと感じています。その要因は、スタート時点で先方の意向をしっかりと汲み取り、プロジェクトの方針を明確にできたことが大きかったと感じています。
2023年12月に完了した本プロジェクトは、施主である株式会社MonotaROのワークプレイス(オフィス)について、株式会社ディー・サインがインテリアデザイン(設計)を担当したプロジェクトです。
オフィス, ワークスタイル
301坪〜1,000坪
商社・流通
先の情勢が見えない状況から2年以上の時間をかけて進めてきたプロジェクト。従来の課題を抽出しつつ、将来的にどんな働き方やコミュニケーションの可能性があるのか、社員のためにどんな場が相応しいのかを追求しました。このような新しい第一歩をクライアントとともに考え、ゼロベースからプロジェクトに携われたことを光栄に思っています。