彼らが描くミッションやビジョンに強く惹かれ、その熱量をうまく表現したいと思ったのが出発点でした。30坪という限られた空間であるがゆえに、細部まで丁寧なデザインをする必要がある点は難しかったですが、デザイナーや施工者と連携し、むき出し配管や配線の納め方など、考え抜いた「半建築」な空間ができたと思います。
ドローン特化型のベンチャーキャピタル、DRONE FUND株式会社のオフィス移転プロジェクト。東京・麻布台ヒルズの低層階にあるベンチャーキャピタル集積拠点に入居が決まり、我々はプロジェクトマネジメントおよびインテリアデザインを担当しました。
ミッション・ビジョンを体現する「半建築」の世界。
DRONE FUNDが目指すのは、ドローン(エアモビリティ)が当たり前にある社会。かつて、馬車から自動車へと、モビリティが10数年で急速に変化していったように、少し先のまだない未来の世界を表現するべく「半建築」(=UNDER CONSTRUCTION)というテーマに置き換えてデザインに彩りを入れていきました。
エントランスは「半建築」を表現した、むき出しの無機質な世界。そこから執務室に入ると、DRONE FUNDが描く明るい未来を思わせる雰囲気に。動線を通じて、少し先のワクワクするような未来を体感できる設えを提案しました。執務室の中央には、カラフルな支柱で構成された、多用途に活用できる什器をデザインしました。
会議室の壁面に飾られた彼らのビジョンを描いた1枚のアート。どの席からもそのアートが見えるよう設置されていて、オフィスの中で、象徴的な存在となっています。
彼らが描くミッションやビジョンに強く惹かれ、その熱量をうまく表現したいと思ったのが出発点でした。30坪という限られた空間であるがゆえに、細部まで丁寧なデザインをする必要がある点は難しかったですが、デザイナーや施工者と連携し、むき出し配管や配線の納め方など、考え抜いた「半建築」な空間ができたと思います。
デザインテーマとして「半建築」と掲げましたが、人によって多様な印象を持つ言葉でした。クライアントとのイメージをすり合わせるため、オプション案を複数作成しながらプロジェクトを進めていきました。カーペットが貼られてない床やむき出しの骨組みなど粗さが残るデザインではありつつも、人が触れる箇所には安全性を配慮して仕上げることに注意しました。
2023年12月に完了した本プロジェクトは、施主であるDRONE FUND株式会社のワークプレイス(オフィス)について、株式会社ディー・サインがプロジェクトマネジメント及びインテリアデザインを担当したプロジェクトです。
オフィス
サービス・インフラ
彼らが見据えている“ワクワクする未来”を、オフィスとして表現するために、あえて「半建築」というコンセプトを掲げました。完成された未来をみせるのではなく、これから成長していくプロセスを抽象的にデザインとして取り入れることで、世界観のコントラストをより強く表現しています。空間への余白を残すことで、今後のDRONEFUNDを社員自らがつくり上げていくように、可変性のあるデザインを提案しました。