今回は、学校とオフィスの区分けをどのように行うか、という事を思考したプロジェクトでした。学校とオフィスが同居するプロジェクトは全国的にみても珍しいケースである為、今までのプロジェクトとは違った課題があり、貴重な経験になったと思います。このシームレスで大きな空間の中で、生徒さんがどのように学び成長していくのかと想像すると、わくわくしました。入居する「ところざわサクラタウン」や、オフィスとの繋がりを感じられる学校空間が、登校する生徒さんの学生生活の中で良い刺激になっていくことを願っています。
KADOKAWA DWANGO Educational Institute学校法人角川ドワンゴ学園 N高等学校・S高等学校 ところざわサクラタウンキャンパス
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オフィスから学校への用途変更には、法的にクリアすべき要素が複数あり、特に教室への採光確保やゾーニング、詳細な寸法変更などの配慮が必要でした。シームレスな空間を崩さず、すべての教室に採光がとれるよう、2種類の高さの壁を織り交ぜてレイアウトを行っています。オフィスと学校、教室と教室など、コミュニティ同士の区分けのバランスを取りながら視覚的・感覚的な融合を目指しました。異なるコミュニティが共存し、互いに刺激を受けながら良い関係を築いていく。こうした側面で、建築の力は直接的に働きかけることができると実感したプロジェクトでした。