各スペースの機能を決め過ぎず、使う人によってさまざまな利用方法が想定される空間が出来上がったと思います。要件設定時に、スペースごとの明確な機能や使い方を設定することも多いのですが、使いながらユーザーの手でアップデートしていく「余白」を残しておくことの重要性を学びました。
博報堂の新規事業開発を担うミライの事業室と、社外のスタートアップを支援する株式会社quantumのオフィス統合移転プロジェクト。
コロナ禍を経て出社の機会が少なくなる一方で、仲間と交流したり協働したりできる快適な場所が必要とされていました。また、2社がこの場所に集うことで「掛け算」を起こし、新規事業開発をより加速させる狙いがありました。
個人が快適に過ごしながら独り言が言える、広場のような空間。
オフィスは大きく3つのゾーンに分かれています。2社が共有して利用出来るオープンなコミュニケーションスペースを中心に据えています。その両サイドに各社専有部を必要な機能を満たすミニマルな作りとして設け、人が集まるスペースをなるべく大きく取る計画になっています。
設計者と共に目指したのは、「広場のような空間」です。機能性はもちろんのこと、パーソナルスペースを十分に保ちながらも、リモートワークでは感じられない仲間と働く楽しさを感じられる「居場所」を作りたいと考えました。
各スペースの機能を決め過ぎず、使う人によってさまざまな利用方法が想定される空間が出来上がったと思います。要件設定時に、スペースごとの明確な機能や使い方を設定することも多いのですが、使いながらユーザーの手でアップデートしていく「余白」を残しておくことの重要性を学びました。
2022年6月に完了した本プロジェクトは、施主である株式会社博報堂ミライの事業室のワークプレイスについて、株式会社ディー・サインがプロジェクトマネジメントを担当したプロジェクトです。
オフィス
〜300坪
サービス・インフラ
本プロジェクトの成功の根底は関係者全員の設計者へのリスペクトでした。海法圭設計事務所は緻密な設計すべてに意味を持たせていたため、場全体のストーリーと施主要望の実現との両立を求められました。「一番実現したいことは何か」。チーム一丸となり、目的のために気持ちよく判断できる空気感の醸成もPMの重要な役割であり、伴走のあり方をあらためて学びました。