コワーキングスペースを単体で捉えるのではなく、施設全体や周辺地域へと視野を広げる必要がありました。そうしたなかで、シンボルの魅力や果たす役割、まちにおけるスペースの役割について思考を巡らせ、福山の地域全体をどう捉え、巻き込んでいくのかを考えながらプロジェクトに取り組むことができました。
福山駅前にある老舗百貨店の再生事業として生まれた複合施設。
「iti SETOUCHI」内のコワーキングスペースのデザイン依頼を受け、プランニング及びインテリアデザインを担当しました。
ソーシャルコワーキングスタートアップ・株式会社ATOMica(アトミカ、宮崎県宮崎市)と福山電業株式会社(広島県福山市)が連携したプロジェクトで、地域創生の点に意義と価値を見出し、参画しています。
既存建築のポテンシャルをうまく生かして「おもしろい違和感」を生み出す事が必要だと考え、「一目でわかる、話題性のあるポイントをいかにして創るか」という視点からスタート。ワークエリアやソファーラウンジ、ミーティングルーム、フォーカスブース、イベントスペースなど多様な用途を兼ね備えるスペースとしました。
核となるのは、ワークエリアに設置された打ち合わせスペースです。建物に入ると、センターホール(吹き抜け)の奥にこの空間が出現し、遠くからでも期待感と高揚感を感じさせ、人を誘うシンボリックな存在として機能させています。
コワーキングスペースを単体で捉えるのではなく、施設全体や周辺地域へと視野を広げる必要がありました。そうしたなかで、シンボルの魅力や果たす役割、まちにおけるスペースの役割について思考を巡らせ、福山の地域全体をどう捉え、巻き込んでいくのかを考えながらプロジェクトに取り組むことができました。
施設の特徴を生かしながら、いかにおもしろくシンボリックな空間をつくり上げるかに集中しました。他のフロアとの調和を考えながら、残すべきところを残していく。その過程において、制限があるからこそ他にないオリジナリティにつながることも実感できました。
2022年11月に完了した本プロジェクトは、施主である福山電業株式会社と株式会社アトミカが運営するコワーキングスペースについて、株式会社ディー・サインがインテリアデザインを担当したプロジェクトです。
オフィス
〜300坪
サービス・インフラ
「人が集まる場」はデザインだけでなく、プロダクトや接客といったトータルのUXでできていると思っています。その中でデザインが果たすことができるのは、最初に足を運びたくなる「違和感」を創出すること。
シンプルに「オモシロい」を追求することで、創り手にとっても「ハタラく」をドライブしてくれる。そんなプロジェクトになったと実感しています。