ひとつのプロダクト開発から始まったプロジェクトが、その世界観を会場全体で表現するイベントへと発展し、大きな充実感を得られました。マルニ木工と協業する中で、木工会社ならではの品質基準や、人の手が触れる部分へのこだわりなど、オフィスデザインの造作家具では経験できない多くの学びがありました。

会場をオフィス空間に見立てたショールーム設計プロジェクト

マルニ木工が大切にしているヒューマンタッチの考え方。そこに、私たちがオフィス設計を通じて培ってきた知見が掛け合わさってできたのが、会議テーブル“Peblo”。意匠性と機能性を両立しながら、マルニ木工らしい無垢の温もりを感じられる設計に仕上げています。
今回、その“Peblo”のローンチイベント会場のデザイン・設計・施工を担当。 製品開発の段階からオフィス設計の知見を活かして協業してきた私たちだからこそ、 プロダクトの魅力を最大限に引き出す空間デザインをお任せいただきました。
会場スペースでは「MUKU for the Workplace」と題し、マルニ木工、インターオフィス、ディー・サインの3社によるオフィスイメージを提案。来場者の多くが、主にオフィスデザインを行う設計事務所や不動産、家具メーカーのデザイナーであることも踏まえ、プロダクトアウトではない空間を心がけました。白い空間のなかに設計図をモチーフにした図面枠や寸法線を配置し、機能的なタスクチェアと組み合わせた展示により、“Peblo”を実際のオフィスプロジェクトに落とし込むイメージを視覚化しています。また、無垢材との相性を考えて敢えてカジュアルな照明と組み合わせ、オフィスデザインでも定番となった植栽をより多く配置するなど、細部にまでこだわって設計。無垢材をオフィスに取り入れる価値をより感じられるように、会場スペース全体をデザインしました。
ひとつのプロダクト開発から始まったプロジェクトが、その世界観を会場全体で表現するイベントへと発展し、大きな充実感を得られました。マルニ木工と協業する中で、木工会社ならではの品質基準や、人の手が触れる部分へのこだわりなど、オフィスデザインの造作家具では経験できない多くの学びがありました。
今回デザインだけでなく、実際にイベント会場の空間を造る作業も自分たちの手で行いました。マルニ木工の方とコミュニケーションをとり、お互いの得意分野を活かしながら一緒に完成させていく作業は刺激的でした。イベントでは、お客さんが実際に“Peblo”に触れてオフィスに置くイメージをしてくださいました。
イベント会場全体をオフィスに見立ててデザイン。1階の、人が集いやすいエリアは、柔軟にミーティングを開けるアドホックなコラボレーションエリアになっている。 “Peblo”会場へ誘う入り口を一本のラインで端然と表現している。
入口の壁面には、会場のコンセプト。設計図の図面枠をモチーフにしたデザインで主催からのメッセージを表現。
大きな窓を望む空間はカンファレンスルームに。タスクチェアとコーディネート。
ミーティングルームを想定したエリアでは、来場者の方が実際に“Peblo”を体感。
寸法線や壁・ドアの設計図を床に描いている。より体感でイメージしやすいように、壁に掲示したCGイメージを具現化した展示空間となっている。
オフィスに無垢材の温もりがあることの魅力を引き出すレイアウトに。
その他
〜300坪
メーカー
Pebloは他のテーブルとは一線を画す配線孔の蓋のアイディアをはじめとした、コントラクト家具としての機能性の高さも備わっていることが魅力のプロダクトです。そのプロダクトの魅力を引き出すために、実際のオフィス空間での使用イメージを視覚化した空間設計を心がけました。