強いブランド力を持つColliersは、ブランドイメージを構築する見せ方へのスタンスがあらかじめ決まっています。海外拠点を管理しているグローバルのチームとも対話の場を設け、ガイドラインの基となったクライアントのフィロソフィーを深く理解することが重要だと、あらためて強く認識したプロジェクトでした。
プロジェクトがスタートした当初、急速な人員増によりワークスペースの拡大、及びワークスタイルにフィットしたオフィス空間が求められていました。我々は対話の中から本質的に必要な要素を検討し、デザインにつなげていきました。
カナダに本拠地を置くColliersは、事業用不動産サービス分野におけるグローバルリーダーとして知られています。東京・丸の内の好立地を活かしたシンボリックな空間を作り出すことにより、日本におけるColliersの存在感を高めることを意図しました。Colliersが日本国内での展開を進める上で重要な拠点となり、顧客やパートナーに対して強い印象を与えることができるようデザインしています。
フィロソフィーに対する深い理解と対話から生まれた空間。
D&IやESGの観点を取り入れつつ、優秀なタレントを呼び込む求心力を生む、ビジネスの起点となる“場”をデザインすることを目指し、「We are Colliers」というコンセプトを掲げました。
主たる課題となったのは、皇居側に面している視界の開けたスペースを効率的に使えるレイアウト構成にすることでした。人が流れやすい動線を意識し、セキュリティを担保したうえで出来る限り、風通し・透明性のある空間づくりを目指しました。
また、地域性へのアプローチとして、日本建築の特徴的な様式である「HANARE-離れ-」や「KAIROU-回廊-」といった要素からインスピレーションを受け、レイアウトプランに落とし込んでいます。回遊できるシームレスな空間を実現する事で、偶発的な出会いやコミュニケーションを創出することを狙いました。
さらに、東京駅の赤レンガや皇居の自然、石垣など周囲の環境要素を取り入れました。また、Colliersのブランドを表現しつつ、日本的なカラーリングと落ち着いた配色のコントラストで、空間に奥行きを演出しています。
強いブランド力を持つColliersは、ブランドイメージを構築する見せ方へのスタンスがあらかじめ決まっています。海外拠点を管理しているグローバルのチームとも対話の場を設け、ガイドラインの基となったクライアントのフィロソフィーを深く理解することが重要だと、あらためて強く認識したプロジェクトでした。
最初の段階では、セキュリティ面への配慮からデザインに数多くの制限がありました。ヒアリングを重ねていった結果、クライアントの本質的なニーズを理解し、それに基づく働き方の提案とデザインを実現できたことは、自分にとって大きな学びとなりました。また関係各社との信頼関係を早い段階で構築できた為、プロジェクトが円滑に進行できたと感じています。
2022年12月に完了した本プロジェクトは、施主であるコリアーズ・インターナショナル・ジャパン株式会社のワークプレイスについて、株式会社ディー・サインがインテリアデザインを担当したプロジェクトです。
オフィス
〜300坪
IT・通信
顕在化していない「課題」や「問題」を特定し、それをデザインで改善させることに挑戦しました。
こうした場合はまず、IR情報やフィロソフィーを深く理解することを大切にしています。その上で、シームレスな働き方やコンフィデンシャルの概念を再考し、顧客と対話しながら紐解いていくことで、互いの理想を叶える空間をつくることができました。