工事は、既存の状況を正確に把握するところから始まりました。図面や当時の情報が残っていない中で、現場の手がかりをもとに設備を一つずつ確認し、品質と安全の前提を固めていきました。地道な作業ではありましたが、見えない部分まで整えたうえでデザインにふさわしいスケルトン天井を成立させることで、空間全体の完成度を下支えできたと思います。
Ozma PR Inc.株式会社オズマピーアール


パーパスと機能を両立させる戦略的オフィス構築プロジェクト

1963年に創設した老舗PR会社・オズマピーアールの本社リニューアルプロジェクトです。「変化する現代の働き方に合わせて、働きやすい環境をつくらなければいけない。ここで働くことにプライドを持ってもらいたい。」という社長の想いを起点に空間が分断されコミュニケーションの起点がつくりにくかった旧オフィスのスタイルを刷新しました。目指したのは「アイデアが生まれるオフィス、社員が来たくなるオフィス」。来客ラウンジから執務エリアまでをひと続きの環境として捉え直し、“集まる”“集中する”“相談する”をシーンで選べるように設計。さらに、競争が激化するPR業界で選ばれ続けるためにも、オフィス自体が企業の姿勢や価値観を体現し、社内外へ発信できる拠点であることも求められました。社員同士の対話や共創を誘発する空間へアップデートすると同時に、パーパスの浸透も目指しています。
コンセプトは「Colored Living」。リビングの居心地を働く場所へ持ち込み、ブランドカラーのブルーを基調とした落ち着きのある空間に仕上がっています。エントランスには、「OZMA PR」のロゴをかたどった象徴的なLEDオブジェを設置。ここには動画を投影できる仕掛けが施されており、企業のメッセージを動的に発信する核となっています。また、独自メソッド 『社会デザイン発想Ⓡ』の4要素である“問い”“提唱”“巻込”“喚起”を会議室の室名やテーマカラーなどに採用し、執務エリアや共用スペースでも日常のコミュニケーションの中で自然とフィロソフィーに触れられる仕掛けを組み込みました。ビンテージビルかつ、オフィスを稼働させながらの改修という条件下ながら、働き方と発信の両面から企業の未来を見据えた戦略的なオフィス構築を支援しました。
工事は、既存の状況を正確に把握するところから始まりました。図面や当時の情報が残っていない中で、現場の手がかりをもとに設備を一つずつ確認し、品質と安全の前提を固めていきました。地道な作業ではありましたが、見えない部分まで整えたうえでデザインにふさわしいスケルトン天井を成立させることで、空間全体の完成度を下支えできたと思います。
本プロジェクトでは、クライアントが大切にしている考え方や“らしさ”を、空間として違和感なく立ち上げていくために、細かな判断が必要でした。「何を守り、どこを調整すれば本質的な狙いが成立するか」を丁寧にすり合わせました。結果として、デザイン性だけが先行するのではなく、日常のなかで使いやすい、価値が積み重なる空間を創出できたと思います。
社内外をつなぐ核となるラウンジは、壁を極力減らして天井を抜いたスケルトン仕様にすることで開放感を創出。
リビングのような居心地のよさが人を呼び込み、偶発的なコミュニケーションを生み出しています。
各会議室は、『社会デザイン発想Ⓡ』のロゴに着想を得ており、企業フィロソフィーを想起させます。
全11ある会議室の室名は、メソッドのキーワードなどから社員の方々が想いをこめて命名しました。
会議室のデザインは、家具の質感にもこだわりっておりツートンカラーで仕上げられています。
さまざまなデスクタイプが設けられており、自在な働き方に対応しています。
偶発的なコミュニケーションから議論まで、多様な活動をシームレスに支えるレイアウト。
2025年6月に完了した本プロジェクトは、施主である株式会社オズマピーアールのワークプレイス(オフィス)について、株式会社ディー・サインがプロジェクトマネジメントを担当したプロジェクトです。
オフィス, ワークスタイル
301坪〜1,000坪
広告・メディア
今回PMとして大切にしたのは、コストとスケジュールの管理だけでなく、適した体制をつくり、関係者間のコミュニケーションを整え、最適な道を拓く役割でした。特に設計者の選定。複数の魅力的な候補者との面談を経て、最善の設計者とのマッチングを導けたことが、プロジェクトを成功させる起点になったと感じています。各領域の専門性は信頼して任せながらも、全体の整合を取り続ける──その積み重ねにより円滑な推進につながりました。