1.Oct.2015旅したくなるエントランス | TripAdvisor LLC

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会社の顔となるエントランス。
エントランスがただ綺麗なだけじゃなくて、ちょっとワクワクする感じがあると、不思議とその会社に興味を持ったりするものです。
今回は、”口コミを参考にして自分にぴったりな旅行先を予約できるトリップアドバイザー”の日本支社のエントランスのつくり方をご紹介します。旅行会社のイメージって、よく街にある旅行代理店の店舗をイメージしがちですが・・・違うんです。
さて、DE-SIGNの設計担当者はどんなことを考えていたのでしょうか?担当者インタビューを基に、ご案内します。

エントランスから

恵比寿ガーデンプレイスに2015年6月にご移転された、トリップアドバイザー。ビルのエスカレーターをのぼって入り口前まで行くと・・・見覚えのある、あのロゴが見えてきました。ガラスのドアから見える先がとっても気になります。早速中を覗いてみましょう。

※こちらは竣工当初の写真です

黄色のクラシックカーにガソリンスタンドまで!インパクトのあるエントランスは、写真映え抜群です。味のある旅行鞄がクラシックカーの上に乗っていて、今にも旅行に出かけそうな雰囲気を醸し出しています。どうやってこれらをガーデンプレイスの数十階まで上げたんでしょう?(笑)

デザイナーのご紹介

株式会社ディー・サイン / デザイナー 佐藤渉

2014年に株式会社ディー・サインに入社。デザイナーとしてAutodesk Inc.やトリップアドバイザー、UUUMなどのオフィスを手掛ける。インテリアデザイン(設計)をはじめて15年の経験から、幅広い分野の空間づくりを手掛けてきた。

エントランスの設計コンセプトは?

・自社の主軸サービスである、「旅」のワクワク感を表現。
・どこから写真を撮影しても映えるデザインになるように。

一番念頭に置かれたコンセプトはこの二つだそうです。確かに、入った瞬間ワクワクしました。
そもそもグローバルで展開しているトリップアドバイザーさんは、各国のオフィスには、様々に旅をテーマとしたデザインが施されているそうです。ロンドンのオフィスにはなんと、本物の飛行機の羽のようなテーブルが設置されているんだとか。

佐藤渉:「日本支社では旅の始まりを表現したい、ということで空港など、様々なシチュエーションを検討していました。検討するうちに、車で旅行する映画のようなイメージに落ち着いたのです。」

とても印象的なこの車も海外製かと思いきや、実は日本のスバルの名車。とても珍しい車種のようです。
日本らしさを表現しようと、スバルのこの車種を探し出したんだとか。写真ではうまく伝わりませんが、座面がチェックの張地でとってもキュートで映画に出てきそうな雰囲気です。
車体のボンネットにはトリップアドバイザーロゴのマグネットが付いています。なんだか思わず、乗って写真を撮りたくなりますね!とお話したら、
「そうなんです。よく来社された方が乗って記念写真を撮っていますよ~」と!いいプロモーションになっているようです。

エントランスにはクラシックカー以外にも、細かな仕掛けが用意されていることに気が付きました。入口で待っているときに座れる真っ赤なベンチは、ターミナルにありそうなものをわざわざ設計し造作したんだそうです。確かに、ターミナルってこういう座高が高くてちょっと腰かけられる、雨風が吹き抜けるようなデザインのモノを見かけます。

そして、入口はいってまっすぐ前に設置されたガソリンスタンドは、ただの置物ではありませんでした。よく見ると床にサインがあります。

受付はこちら・・・と書いてあります。確かに近づいてみたら、電話とiPadのようなものが埋め込まれている、受付機のようです。配線がきれいに処理されているので、デジタル感をほとんど感じず、アンティークのガソリンスタンドの良さが映えていました。

受付機の画面ロックをiPadと同じ要領でスワイプします

「trip advisor contacts」をタッチします。配達に来た方にもわかりやすい仕様になっています。

名前をタッチすれば呼び出し完了です。

検索ももちろん可能です。

相手の名前をタッチすると、即座に「ただ今呼び出しています、座ってお待ちください」のような英語メッセージが表示されるとともに、音声アナウンスが流れます。そして数分後に、メッセージを受け取った担当者から「今行きます」のようなメッセージが音声アナウンスされました。画面をずっと見守っていなくても、気が付くようにできているんですね。(ちなみに、電話対応もできるようにiPadのそばに電話機もあるので、使い方がわからない場合でも安心です。)

このガソリンスタンドのアンティーク感と真逆のハイテク感が、またひとつワクワクさせてくれました。

日本らしさを表現

佐藤渉:「エントランスは、ガラスでエントランスとセキュリティエリアに仕切られています。外光が奥まで届くようガラスを使っていますので、とても明るく開放感があります。

コンセプトの1つに、どこから写真を撮っても写真映えする空間というのがありました。それを作っているのは、この竹が貼られた台形のキャンティレバー構造(片持ち式の構造)の屋根の要素が大きいと思います。※2枚目の写真を参照

エントランスからの目線や、空間の四角形に対して角度を振って設置したことで、空間に躍動感が出ていんじゃないかと。ちなみにこの屋根の素材を竹にしたのも、やはり日本らしさを意識したからです。」

日本らしさ、といえば、エントランスへ入って右手に並ぶ会議室も日本らしいネーミングが付いていました。写真の会議実名は「Wasabi」。他にも「Sakura」「Fuji」「Yuzu」などがあります。執務エリア側の会議室には海外でよく知られる日本語ワードとして「Kitty」や「Pokemon」が。

この名前は会議室の予約システムにも登録されている正式名称とのこと。どの部屋も、日本らしさのコンセプトを全うしつつ、会議室名をイメージしやすいカラーリングになっていました。

続きは次回のNEWSSTANDにてご紹介します

トリップアドバイザーさんのオフィスエントランスは、ブランディングメディアとしてのエントランスの在り方以上に、ワクワクさせてくれるエントランスでした。

エントランスに設置されているTV画面には、常にトリップアドバイザーさんの人気の観光地やホテルの朝食ランキングが流れていました。待ち時間に「あぁ、あんなところへ旅行してみたい」と思わず妄想にふけってしまい、スマホでトリップアドバイザーさんのサイトをチェックしてしまう、という…完全に思うツボにはまった筆者でした。

エントランスだけでこんなに楽しくなれるオフィス。次回はオフィスの中をご案内します。

 

 

カテゴリー

ワークプレイス / オフィス

施主

TripAdvisor LLC

竣工

2015年

PROJECT MANAGEMENT

ディーティーゼット・デンベム・タイ・レオン株式会社

INTERIOR DESIGN

株式会社ディー・サイン

関連情報

PROJECTSページもご覧いただけます。

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