22.Jan.2025ファシリティマネジメントとは?メリットを理解して今後のオフィスのあり方を再定義

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今回は、施設管理を行う際によく耳にするファシリティマネジメントを取り上げます。ファシリティマネジメントにまつわるお悩み事例を踏まえて、取り入れるメリットと具体的なオフィスへの取り入れ方をご説明します。

ファシリティマネジメントとは?具体的なお悩みを交えて取り入れるメリットを理解

ファシリティマネジメントとは、建物やオフィスなどの「施設」を戦略的に管理する考え方です。ただ単に建物の維持管理を行うのではなく、そこに働く人々が効率的で快適に業務を行える環境を構築し、企業の生産性や価値を最大化することが目的です。公益社団法人日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)は、ファシリティマネジメントを「企業・団体等が組織活動のために、施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営活動」のことと定義しています。人事・ICT・財務とともにこのファシリティマネジメントも4大経営基盤の1つであると考えられています。本記事では、ファシリティマネジメントにまつわる具体的なお悩み事例と、ファシリティマネジメントを取り入れるメリットをご紹介していきます。

ファシリティマネジメントにまつわる、こんなお悩みはありませんか?

次のような課題を持っている企業にはファシリティマネジメントの考え方を取り入れたオフィス改革が効果的とされています。

  • 〇施設関係費が経営を圧迫しているが、対策に着手できていない場合

施設に関連するコスト(例:土地、建物、設備維持費)は、多くの企業で人件費に次ぐ大きな固定費となっています。しかし、「具体的にどこを削減すればよいのか」「運用をどう見直せばいいのか」が明確でないために、放置されることも少なくありません。

  • 〇省エネルギーや環境問題に取り組む必要性を感じているが、改善策が分からない場合

企業の環境対応は、SDGsや社会的責任の観点から避けては通れないテーマです。しかし、特に中小企業ではどこから手を付けるべきかが分からず、課題が後回しになるケースも見受けられます。

ファシリティマネジメントの導入メリット3点

上記のような課題を抱える企業に対し、ファシリティマネジメントを導入することで得られる主なメリットをまとめました。

具体的には企業視点・従業員視点・社会視点の3つが挙げられます。

①企業視点:施設運用コストの最適化

施設関係費は、設備の老朽化や過剰なスペース使用などが原因で無駄が生じやすい分野です。ファシリティマネジメントを活用すれば、スペースの有効活用、設備の更新計画、エネルギー使用の最適化を実現し、コスト削減が可能になります。これにより、経営を圧迫する固定費の軽減が期待できるのです。例えば最新の設備やシステムの導入で効率化を進めることで、業務に関わる人員数を削減できれば、人件費やリソース確保にかかる費用が削減できます。また、同時出社人数の減少によって物理的にスペースを確保できるようになれば、結果として施設のコスト削減にもつなげることも可能です。

 

②従業員視点:働きやすさの向上により、満足度と生産性が向上する

ファシリティマネジメントを戦略的に行うことで、結果として利用者にも快適な空間を提供できます。適切に管理されたオフィス環境は、従業員のパフォーマンスに直接的な影響を与えます。快適な作業環境や働きやすい空間設計は、生産性を向上させるだけでなく、離職率の低下にも貢献します。結果として、オフィスに行きたい・会社に貢献したいという気持ちを醸成することとなり、従業員満足度の向上と企業の成長を促進する効果が期待できます。

 

③社会視点:CSRへの貢献

ファシリティマネジメントを通じて、エネルギー使用量の見える化や最適化を行い、環境負荷の軽減をサポートすることも可能です。さらに、省エネルギー設備への移行や効率的な運用計画の策定により、SDGs達成に向けた企業イメージの向上も期待できます。環境問題への積極的な対応は、社会的評価の向上にもつながります。脱炭素化やカーボンニュートラルの実現など環境汚染を防ぐ設備を活用すると、環境問題に貢献することも可能です。

ファシリティマネジメントの考え方を実行するには、具体的にプランを練るところから始まります。プランとは、年間の施設の修繕計画をつくり、いつ何を実行するかを決めることがファーストアクションです。その実行プランとして、具体的な手法を次の段落で説明します。

ファシリティマネジメントの具体的な取り入れ方

ここでは、ファシリティマネジメントを実践するための4つの具体的手法を、例としてご紹介します。

 

  1. 施設や設備の定期メンテナンス

施設や設備の寿命を延ばし、効率的な運用を実現するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。以下のような運用ルールを明確化し、計画的に実施することで、突発的なトラブルを未然に防ぎます。

✓清掃:日常清掃に加え、年次で行う大規模な清掃計画を作成。

✓点検:空調設備、電気設備、給排水設備などの点検スケジュールを確立。

✓警備:防犯体制を強化し、セキュリティに関するルールを明確化。

✓資材調達:必要な資材を効率的に調達するプロセスの標準化。

✓故障・破損対応:迅速な修理対応が可能な体制づくり。

これにより、コストを抑えながら設備の効率的な稼働を実現します。

 

  1. 省エネルギー化の推進

施設運営においてエネルギー消費の削減は重要なテーマです。ファシリティマネジメントの視点から、以下の省エネルギー手法を取り入れることで、環境負荷を軽減しつつコスト削減も可能です。

✓LED照明の導入:従来の照明と比較して消費電力を大幅に削減。

✓タスク・アンビエント照明:必要な場所にだけ照明を集中させたり、人感センサーの導入で無駄をなくす。

✓最新省エネ機器の導入:エネルギー効率の高い空調設備やエレベーター、IT機器などを活用。

こうした取り組みは、コスト削減に直結するだけでなく、環境意識の高い企業としての社会的評価向上にもつながります。

 

  1. 防災・セキュリティの強化

企業活動の継続性を確保するためには、自然災害や人的リスクへの備えが必要です。ファシリティマネジメントの視点から、以下の取り組みを進めることで、防災・セキュリティ体制を強化できます。

✓耐震性の向上:施設の耐震診断を実施し、必要に応じて補強工事を実施。

✓防火対策:消火設備の点検・設置を徹底し、従業員に対する防火訓練を実施。

✓セキュリティ強化:入退室管理システムの導入や監視カメラの設置。

これらの対策により、安心して働ける環境を構築するとともに、万が一のリスク発生時における被害を最小限に抑えることができます。

 

  1. オフィスの改修・レイアウト変更

従業員の生産性向上や働きやすさの確保を目指すためには、オフィス環境そのものの見直しも重要です。以下のような改修やレイアウト変更は、企業活動に大きなプラスの影響を与えます。

✓分散拠点の統合:オフィスを一箇所に統合。部門間の物理的な壁を取り払い、コミュニケーションを活性化。

✓多様なデスク形態の導入:フリーアドレスやスタンディングデスクの採用により、従業員の柔軟な働き方をサポート。

✓リフレッシュスペースの確保:休憩や打ち合わせが可能なスペースを設けることで、従業員の満足度と生産性を向上。

これにより、オフィスは単なる「作業場」から「価値を生む空間」へと進化します。

ファシリティマネジメントを実践している事例を知りたい方は

ディー・サインでは、企業のファシリティマネジメント担当者同士のコミュニケーションを目的に「FM会」というイベントを定期開催しています。次の記事では、過去開催の様子をご紹介しています。

▼リアル開催

第18 リアルFM会:セーフィーのオフィス見学会を開催

第20 リアルFM会:サンゲツのオフィス見学会を開催

▼オンライン開催

第33回オンラインFM会:プロティア・ジャパンのオフィスの見学会をオンライン開催

次回「FM会」へ参加をご希望の方は、Contactフォームからお気軽にご連絡ください。

ファシリティマネジメントを取り入れたオフィスづくりは、ディー・サインにお任せ。

ファシリティマネジメントとは、オフィス環境の長期的な最適化を目指した経営活動です。この考え方を取り入れることで、施設関係費の見直しや省エネルギー化を実現し、企業全体の効率性や持続可能性を高めることができます。具体的な手法としては、設備の定期メンテナンスやオフィス移転による抜本的な環境改善が挙げられます。しかし、どこから着手すればよいかわからないというお客様も少なくありません。

株式会社ディー・サインでは、お客様の経営課題を深く分析し、オフィス改革の計画立案から実施、そして運用までを伴走型でサポートします。企業ごとのニーズに合わせたファシリティマネジメントの導入支援を通じて、持続可能で生産性の高いオフィスづくりを実現します。

オフィス環境の改善に関心をお持ちの方、ファシリティマネジメントについてもっと詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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