13.Dec.2024スケルトン天井とは?オフィスデザインで人気な理由や改装費用について紹介

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「スケルトン天井」とはなにか。その人気の理由と、施工する前に気を付けるべき点をご紹介します。

このような天井を店舗やオフィスで見たことはありませんか?開放感があって、インダストリアルな雰囲気でデザイン性もあるのでおしゃれな場所のイメージがあるかと思います。こういった天井デザインのことを「スケルトン天井」といいます。スケルトン天井とは、天井仕上げを行わず、配管や電気設備などを露出させたデザインのことです。オフィスやカフェなどで、洗練された空間演出をするために用いられていて、空間を広く感じさせてくれますよね。

スケルトン天井がオフィスデザインで人気な理由

スケルトン天井が人気な理由は主に2つあります。

理由1:開放感を活かし、おしゃれな空間が作れる

このように、スケルトン天井により空間全体が広く感じられ、視覚的に開放感が生まれます。特に小さなオフィスや店舗でも、圧迫感を軽減することができ、大きいオフィス家具との相性もよいとされています。高い天井は人に心地よさを感じさせ、長い滞在を促すことができるため、大規模マンションのロビーや、高級ホテルのロビーラウンジなど人がたくさん集まる公共建築などでも採用されています。

理由2:社員の創造性を上げる効果が見込める

様々な研究で、スケルトン天井などの開放的な空間で起こる拡散的な注意の向け方が、独創的なアイデアの創出に繋がりやすいというデータが報告されています。閉鎖感が少ない環境では、制限を感じることなく人々は自由な発想がしやすくなるのです。逆に天井が低いことで空間が制限されると、深く集中して取り組むべき課題に対する効率的な思考を引き出し、実用的なアイデアが生まれやすいという面もあり、業種や職種によってはそのような効果が期待して、天井の高さを決める場合もあります。

スケルトン天井を採用する際に気をつけること

注意点1:防音性や空調効率の低下
スケルトン天井は構造上、防音性が低下しやすいです。防音性の観点では上下に入居しているオフィスの音が気にならないか、逆に自社の音で迷惑をかけてしまう可能性についても考慮する必要があります。ですが、遮音材や吸音材を設置したりと対策手段はあります。また、天井が高くなることで、特に暖房効率が低下してしまいます。暖かい空気が上にいってしまうことから、空気を循環させる工夫が必要になったりと余計に光熱費がかかってしまう可能性がありますが、こちらも断熱材の施工を行ったりと対策手段はあります。

注意点2:改装費用や原状回復費用がかかる
実装にあたり、様々な改装費用が必要となってきます。

事前調査費用:施工する範囲や、天井の状態などを調査する費用
解体・撤去工事費:天井の仕上げ材を取り外す費用
電気工事費:天井裏の電気配線、インターネットケーブル、ダクトなどを整理したり、移設したりするための費用
塗装工事費:塗装する範囲によって変動がある費用

特に、事前調査に関しては、どのような工事が必要で費用はどのくらいになるのか、
天井を開けて初めて把握することができます。そのため、場合によっては電気工事や塗装工事などが必要になり、想定していた予算よりもオーバーしてしまう可能性があります。

また、賃貸オフィスでスケルトン天井を施工した場合、退去時に原状回復費用が発生するだけではなく、入居時に費用が掛かる施工となるケースもあります。発注する側としては、「どこまで美しいスケルトン天井をつくるか」というオーダーのレベルによって費用や工事項目が変動します。例えば、下記がその例です。

●耐火被覆を透明塗装で覆う
躯体の鉄骨部分には耐火被覆(ロックウールやセメントを混ぜた物)が吹き付けてあります。耐火被覆の役目は火災の時に鉄骨が熱で溶けてしまって建物の倒壊を防ぐもので、ワタ状のふわふわした被覆が吹き付けてあります。スケルトン天井にすることで躯体が剥き出しとなるため、耐火被覆が風や空調などで飛散するのを防ぐために、透明塗装をすることがあります。

●好みの色に塗装するか
天井を好みの色に塗装することも可能ですが、色を付けてしまうと原状復帰ができないため、賃貸の場合はビルオーナーに断られることもありますので事前によく確認する必要があります。

●天井配線の整理
天井には様々な配線が走っており、スケルトン化したときには美しくまとまった状態ではないことが多々あります。どこまで美しい状態を求めるか、それによって一度配線を抜いて敷きなおす工事が必要か、など工事内容が変わってきます。

●照明
これは意匠によって異なりますが、新たに照明配置をするために工事が必要です。スケルトン天井は通常よりも天井位置が高くなるため、従来の照明では十分な明るさを確保できないケースがあります。業務に支障をきたすことの無いよう、机上面の明るさを確保しましょう。

●法律に則った消防設備の設置
スケルトン天井にした場合は、スプリンクラーなどの天井防災設備を改めて設置し直す必要があります。

このようにただ天井を開けてスケルトン化するわけではなく、どこまで仕上げるかによって工事項目も費用も変わってきます。昨今ではオフィスビルの天井によくある「グリッド天井」のグリッドだけを残し、天板を外す施工もよく見かけるようになりました。この施工方法であれば費用を抑えやすくなるためです。グリッドの枠組み自体を外すと、空調設備や配線を工事する必要が出る上に、また原状回復時にグリッドも再設置しなくてはなりません。費用を押さえたい場合はこのような手法も検討できます。

スケルトン天井の事例①|株式会社博報堂

https://design-inc.co.jp/projects/3958より写真を抜粋。事例詳細はURLにアクセス。

ディー・サインがプロジェクトマネジメントした事例です。「社員1人ひとりが、もっと自由に、楽しく、クリエイティビティを発揮できる場所へ。より出社したくなる環境へ。」をコンセプトにしています。

スケルトン天井の事例②|株式会社セーフィー

https://design-inc.co.jp/projects/3812より写真を抜粋。事例詳細はURLにアクセス。

ディー・サインがプロジェクトマネジメント及びデザイン監修として関わった事例です。先に例として挙げたように、グリッド天井の枠を残してスケルトン化をしています。社外へブランディング力を表現する場となる来客エリアのデザインは、あえて未完成な部分を残した設えとする事で、今後もさらなる成長を続ける、セーフィーのベンチャー気質を表現しています。

スケルトン天井のご相談はディー・サインにお任せ

スケルトン天井は、デザイン性が高く社員の創造性を高められる可能性がある一方、防音性や空調効率の懸念もあります。ディー・サインではスケルトン天井含め、様々なデザインの納品実績があります。 オフィス移転の予定がある、またはオフィス環境に課題を持っている方は、具体的な策が決定する前段階から、ご相談ください。

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