[掲載情報]SBテクノロジー株式会社が運営するWEBサイトに、取締役の今村剛が掲…
SBテクノロジー株式会社が運営するWEBサイトに、ディー・サインの取締役の今村剛と同社社長の阿多親市様との対談記事が掲載されました。
2018年3月にオフィスを移転した株式会社電通アドギアは、マスからプロモーションまであらゆる手法を手掛ける広告会社。
昨年からおよそ9か月のプロジェクト期間を経て、働き方改革の推進のためにオフィス移転を実現したそうです。設計者であるSIGNAL と電通アドギア社内の主担当者へのインタビューでお届けします。
電通アドギア:まず設計者を決めるにあたり、全体のコンサルティングやプロジェクトマネジメントを依頼していたディー・サインに協力してもらい、設計コンペを開催しました。コンペの結果は、どの提案も素晴らしいものでした。
その中でシグナルに決めた理由としては、オリエンテーションの内容を深く汲み取って頂きつつ、パートナーとして一緒に考える余白をもってくれていたことに魅力を感じたからです。安心して一緒に進められそうだと感じました。
シグナル:最初の印象は、「社員の巻き込み方がとても上手だな~」という印象でした。ひとつのプロジェクトチームのメンバーが12~13人というのは多いほうで、珍しいケースです。にもかかわらず、意見を言わない人がいないんですよ。でも、ただ自分の意見を主張するのではなく、それぞれの個性を尊重していて、“みんな参加して、みんなで決めている”というのが、とてもよく表れていました。それが電通アドギアらしさかな、と思います。企業によっては、社長が独断で決めるというスタンスのところもあります。なによりも「働き方改革が一番の目的であって、オフィスはそのためにつくる」という意識が社員の方から強く感じられるプロジェクトでしたね。
コンペの要件としては、ワークショップ等を経ていたこともあって、やりたいことやイメージが、切れ味のいいコメントでまとまっていたので、想像を膨らませるきっかけになりました。逆に、その情報量が多かった分、それを整理するのか抜き出すのか、料理の仕方を考えて進めよう、と思っていました。
電通アドギア:たしかに、私たちも設計者さんにRFP(Request for Proposal/提案依頼書)をお出しするのには情報量が多すぎるかもしれないとは思っていたのですが…それをどうプレゼンに落とし込んでくれるのか、とても楽しみにしていたのを覚えています。
シグナル:まず前提として、移転する前にもコミュニケーションをとるために作られた場所は存在していたんですよ。それにもかかわらず、コミュニケーションが不足していると社員が感じてしまっていることが問題だと思いました。そのことから、ただ場所を用意するだけでは、うまく活用されない結果になってしまう可能性があります。新しいオフィスでは、社内外問わず、自然と人が集まってくる象徴的な場として捉えてもらえるようにしたいと思っていました。
シグナル:我々は設計するときに、その場がどう使われるのか細かくシミュレーションして設計していきます。例えば、“ある特定エリアの使い方を1機能でしか使えないと、いくら面積として前より広がっていても、空間として手狭に感じてしまう”ということが起きるんです。そうならないよう、使い方をいくつもシミュレーションして設計しています。
BARスペースと社内の執務エリアの仕切りを、自由に開閉できる本棚にしたんですけど、その本棚扉を閉めた状態であれば、このBARスペースは社外の方とのコミュニケーションエリアとして使えます。本棚扉を開放すれば、社内外一体で使えるイベントスペースのようにも活用ができます。
シグナル:「同じ釜の飯を食う」という言葉が社内で話に上がっていたと聞きまして。それを表現する空間をつくりたいなと思っていました。
電通アドギア:社長がよく言っているワードですね。以前経営陣にヒアリングした時に、改善点として挙がっていた“コミュニケーションが不足している”とか“縦割りの雰囲気がある”といったことに対して、「俺らは同じ釜の飯を食っている同じチームなんだから、同じ方向を向くんだ」と社長が話していました。それをプロジェクトチームでも話題にしていたんです。
シグナル:最初にスケッチを描いたときは、その「同じ釜の飯を食う」というワードを思い描いていて・・・ピザとか、鍋とか、釜とかってどれも丸いじゃないですか。で、それをみんなで分け合って食べている感じがあって、それを表現したいなと思ってレイアウトの中心に置いていました。
ただし、セキュリティのためにはレイアウトを社内と社外で分ける必要があるだろうと考え、バサッと分割しました。一方で「そんなに簡単に分けられないし、社内と社外でつながりたいタイミングもあるだろうなぁ」と思い、本棚の壁を扉にして解放できるようにしようと考えました。こんな風に考えて始まったデザインの基本的な部分でしたが、最後までブレずに構築することが出来たので、僕らとしても面白かったですね。
電通アドギア:デザインの中でもエントランスの部分は、特に社員の意見が詰まっている場所です。「With UNIQUE_ 」のロゴとか、ビックリマークとか、自然となじんでいますが、訪れた人に会社のことを語れるポイントがいくつも詰まっています。
電通アドギア:我々の会社は“サントリー”と“電通”の資本が入っている会社なので、サントリーの血が流れていると思っています。「BARは電通アドギアのアイデンティティである」という話をしていたので、そのBARが次のオフィスでどうつくられるのか楽しみにしていました。
前からBARスペースをオフィスに設けており、仕事終わりに飲むことや、BARで仕事の話をすることが文化として根付いていましたので、進化して継承していきたいと思っていましたね。
シグナル:飲食ができる場所をつくる会社が増えてきましたが、大体カフェっぽいイメージの空間が多いです。本気でBARをつくるところってなかなかないですね。BARとオフィスの違いとして、本来の利用時間が真逆という特徴があります。ですから、空間への光の取り入れ方を注意しないと、BARっぽくならないんですよ。依頼には「エントランスから入ってきたときに明るさと抜け感が欲しい」でも同時に「本格的なBARらしい空間に仕上げたい」という話があって、その両方をどう実現するかがポイントとなりました。
電通アドギア:前編でもお話しした通り、多くの要件を設計コンペで提示していましたので、そのあたりをどう落とし込むのか、期待していました。
シグナル:出来上がったオフィスの中心には、「同じ釜の飯を食う」という話がきっかけで起案した楕円形のフリースペースがあり、その周りを執務エリアが囲うというつくりになっています。フリースペースは、使い方を制限せず多様な働き方ができる場所です。突発的な打合せやブレストはもちろん、本を読んだり、ランチタイムをすごしたり、個人作業で使ってもかまいません。本棚の扉を開いて、イベントスペースとしても利用できます。コミュニケーションを象徴する場となるよう、レイアウトの中心に配置しています。
電通アドギア:まだ新オフィスに引っ越してきてから1週間しかたっていないのですが、BARやCIRCLEで複数人がランチしている様子や、打合せしている様子を見ると、なんだか嬉しくなりますね。コミュニケーションの活性化を願っていたので、そこに居合わせた人たちで会話がうまれている様子を見ると心の中でニヤリとします(笑)。
働き方を変える取り組みを一早く実践していることに対し、社内外問わず良い評価をいただいているので、これからもグループ企業を牽引すべく、パイオニア的存在として活動していきたいと思っています。
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株式会社電通アドギア
2018年3月
株式会社ディー・サイン
株式会社SIGNAL
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