24.Jan.2025 COLUMN 小規模オフィスレイアウトのポイントとは?小規模のメリットや注意点をまとめて解説

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本記事では小規模オフィスを構築する際のポイントをご紹介していきます。最後に弊社ディー・サインが自社オフィスで工夫している点もご紹介します。

目次

小規模オフィスとは?その定義とメリット・デメリット

小規模オフィスの定義

小規模オフィスとは、一般的に従業員数が少ない、または物理的な面積が限られたオフィスを指します。明確な定義はありませんが、基本は従業員が10~30人未満のオフィスを指すことが多いです。主にスタートアップや小規模のサービス業、専門職(コンサルタント、デザイナー、法律事務所など)、フリーランスの事業所などが多く挙げられます。では、メリットとデメリットについて詳しくみていきましょう。

小規模オフィスのメリット

小規模オフィスには、いくつか特有のメリットがあります。社員同士の距離が近いため、部署や役職に関わらず活発なコミュニケーションが生まれやすく、風通しの良い組織文化を醸成しやすい点が挙げられます。これにより、意思決定が迅速に行われたり、新たなアイデアが生まれやすくなったりします。。また、必要となる家具が少ないため、デザインを統一させやすく、「自由度の高い設計」かつ、結果として「会社のコンセプトを体現しやすくなる」レイアウトであるといえます。賃貸費用や光熱費などの維持コストも抑えられるため、企業の財務的な負担を軽減できます。さらに、社員の意見を取り入れやすく、働きやすい環境を構築しやすい傾向にあります。

小規模オフィスのデメリットと対策

小規模オフィスには、個人スペースが狭くなることや、収納スペースを確保しにくいといったデメリットがあります。また、空間を仕切りすぎると圧迫感が生じる可能性もあります。さらに、従業員同士の距離が近いため、話し声や電話の音などが響きやすく、集中力が途切れやすいという課題も挙げられます。これらのデメリットは、作業効率や従業員のモチベーション低下につながる恐れがあるため、適切な対策が必要です。 対策として、レイアウトの工夫が重要です。限られたスペースを最大限に活用するために、多機能家具の導入や壁面収納の活用、ペーパーレス化の推進による収納物削減などが有効です。また、パーテーションを設置する際は、圧迫感を与えないよう、高さや素材、透明度などを考慮し、適切なものを選ぶことが大切です。音への配慮としては、吸音性の高い素材の使用やBGMの活用、フォンブースの設置などが挙げられます。

小規模オフィスレイアウトにおけるゾーニングのポイントとは?

オフィスのレイアウトにおけるゾーニング(スペースを機能別に決めること)は、限られたスペースを効率的に活用し、快適に業務が行える環境を作るために非常に重要です。以下の4つを意識しましょう。

  • ●各スペースの適切な面積配分
  • ●従業員1人あたりの必要面積を調べる
  • ●ミーティングスペースを軽視しない
  • ●社員の希望を反映させる

各スペースの適切な面積配分

限られた小規模オフィススペースを効率的に活用するためには、執務スペースとそれ以外のスペースのバランスを考慮した面積配分が重要です。執務スペースは社員一人ひとりの業務内容や働き方に応じて調整し、集中できる環境を確保します。一方、ミーティングスペースやリフレッシュスペース、来客スペースなども、コミュニケーションの促進や従業員の満足度向上に貢献するため、適切な面積を確保することが大切です。これらのスペースの適切な配分により、機能性と快適性を両立したオフィス環境を実現できます。

1人あたりの必要面積の考え方

小規模オフィスにおける1人あたりの必要面積は、業務内容や働き方によって大きく異なります。労働安全衛生法では、1人あたり10㎥以上(約1.4坪、4.8㎡)を確保するよう定められていますが、これは最低限の基準であり、実際にこの面積では窮屈に感じることが多いです。一般的なオフィス家具メーカーの推奨値は2坪から4坪(約6.6㎡から13.2㎡)と幅があり、会議室や来客スペースなどの執務スペース以外の空間も考慮すると、実際にはその3倍ほどを目安とするのが理想的です。例えば、日本ビルヂング協会連合会では1人あたり13.6㎡(4.1坪)を目安としています。しかし、どれも出社率や働き方(テレワーク、フリーアドレス、ハイブリッドワークなど)によっても必要な面積は変わるため、自社の状況に合わせた柔軟な検討が重要です。

ミーティングスペースの重要性

小規模オフィスでは限られたスペースを最大限に活用するため、ミーティングスペースの確保を軽視しがちですが、十分なスペースがなければ、集中力や秘匿性の欠如により生産性が低下する可能性があります。また、会議の調整が困難になり、業務の遅延につながるリスクも考慮しなければなりません。対面での意見交換や意思決定を円滑に進めるためには、適切な環境が不可欠です。オンラインミーティングが多い場合は、音の影響を考慮し、フォンブースの設置も検討すると良いでしょう。さらに、来客を通すミーティングスペースは企業の印象を左右するため、信頼構築にも最適な空間設計が必要です。

社員の希望を反映させるには

社員の希望をオフィスレイアウトに反映させるには、まず現状の課題を洗い出すことが重要です。そのためには、アンケート調査や個別ヒアリングなどを実施し、社員がどのような働き方を望んでいるのか、どのようなオフィス環境であればより生産的に業務に取り組めるのかといった具体的な意見を収集します。 収集した意見を基に、働き方に合わせたゾーニングや家具の選定を行うことで、社員のニーズに合った快適なオフィス空間を実現できます。例えば、集中したい作業がある場合は個室ブースを設けたり、気軽にコミュニケーションを取りたい場合はオープンスペースを確保したりするなど、柔軟な対応が求められます。

オフィスレイアウトのコンセプトを決める

コンセプト策定では、まず経営者と社員の声を反映し、働きやすさやニーズを正確に認識することが重要です。社員一人ひとりの働きやすさは、組織全体の生産性に直結します。ディー・サインでは、自社で開発した“オフィス環境や働き方についての調査ツール”であるサーベイや、インタビューを実施し、理想の働き方やオフィス環境について深く掘り下げます。 また、経営者がオフィスという会社を体現する場を通じて、どんなメッセージを発信したいかも重要となります。例えば、「社員に対する気づきの仕掛けが少ない」「もっと自発的に学ぶ場にしたい」といった課題が浮き彫りになった際には、「ワクワク感や楽しさ、気づきが得られ、新たな発想や自己変革につながっているオフィス」といった、その組織に合ったコンセプト設計を行います。

小規模オフィスレイアウトのポイントをパターン別で紹介

小規模オフィスレイアウトのポイントを3つのパターン別で紹介します。

  • ●外勤社員が多いパターン
  • ●内勤社員が多いパターン
  • ●来客が多いパターン

外勤の社員が多い場合のレイアウト

外勤の社員が多いオフィスでは、オフィスに常に人がいるわけではないため、フリーアドレスの導入が効果的です。社員が固定の座席を持たず、自由に利用できる座席やワークスペースを確保することで、無駄な空席を減らし、オフィスをコンパクトかつ効率的に活用できます。また、フリーアドレスは必要に応じて会議スペースやリラックススペースとして柔軟に利用できるため、空間の有効活用が可能です。 このようなレイアウトは、コミュニケーションの活性化や業務効率の向上、チームの一体感醸成にもつながります。外勤社員向けのレイアウトでは、一時的な作業スペースやミーティングスペースを確保することも重要です。例えば、立ち作業用のハイテーブルや小規模なミーティングブースを設置することで、短時間の作業や打ち合わせに対応できます。

内勤の社員が多い場合のレイアウト

内勤社員が多いオフィスでは、スペースを有効活用しつつ、社員同士がスムーズにコミュニケーションを取れるレイアウトが重要です。そのため、デスクを部署やグループでまとめて対面に配置する島型対向レイアウトや、座席を固定しないグループアドレスの導入が効果的です。これにより、同じチーム内での連携や情報共有がしやすくなり、チーム全体の生産性向上につながります。さらに、グループアドレスを採用することで、異なる部署やプロジェクトメンバーとの協力が促進され、社内での柔軟な業務対応が可能になります。

来客が多い場合のレイアウト

来客が多いオフィスでは、企業の第一印象を左右するエントランスや待合スペース、来客用ミーティングスペースの確保と配置が重要です。特にエントランスは企業の顔となるため、デザイン性や機能性を考慮した快適な空間にすることで、企業のホスピタリティを表現できます。待合スペースは座り心地の良い椅子や適切な照明を配置し、来客がリラックスして過ごせるように工夫しましょう。ミーティングスペースは秘匿性を確保しつつ、効率的に利用できるようレイアウトを検討し、可動式間仕切りなどを活用して柔軟なスペース変更ができるようにすると、人数に応じた最適な対応が可能となり、オフィス空間を効率的に活用しつつ快適な来客対応が実現できます。社員と来客の動線を分けることで混雑を解消し、プライバシーやセキュリティへの配慮も重要です。

小規模オフィスレイアウトの注意点とは?

 

  • ●収納スペースは確保する
  • ●将来的な人員増加を考慮する
  • ●便利なパーテーションの活用と注意点
  • ●音への配慮

収納スペースの確保

小規模オフィスでは、限られた空間を最大限に活用するために、収納スペースの確保が重要です。適切な場所に物を収納することで、必要なものがすぐに取り出せるようになり、探し物の時間を削減し業務効率を向上させることができます。また、デスク周りが整理整頓されていると、視覚的なストレスが軽減され、集中して仕事に取り組むことが可能です。 収納スペースを工夫することは、オフィス全体がすっきりとし、印象も良くなる効果もあります。例えば、壁面収納や天井高を利用した収納、デスク下のワゴン活用などが挙げられます。また、ペーパーレス化を進め、書類のデジタル化を図ることもおすすめです。

将来的な増員への対応

小規模オフィスにおいて、将来的な増員を見越したレイアウト設計は重要です。事前に増員を想定しないと、移転や大規模な改修が必要になり、多大な時間と費用がかかる可能性があります。また、オフィスが手狭になると、社員の作業スペースが狭まり、集中力の低下やコミュニケーションの阻害につながる恐れがあります。 増員に対応するためには、可動式の家具の導入や、デスクや収納を移動しやすい配置にするなど、レイアウト変更に柔軟に対応し改善しやすい環境を整えることが有効です。ペーパーレス化を進め、書類などの収納スペースを削減することも省スペース化につながります。

パーテーションの活用と注意点

パーテーションは、小規模オフィスにおいて空間を有効活用し、快適な環境を構築するために使いやすいツールです。パーテーションの設置により、視線を遮り集中力を高める目隠し効果や、スペースを機能別に区切るゾーニングが可能になります。また、防音効果を期待できるものもあり、機密性の高い会議室や集中作業スペースの確保に役立ちます。 しかし、パーテーションの活用には注意点もあります。例えば、天井まで届くハイパーテーションは、空調や照明の追加が必要になる場合があり、工事費用が増加する可能性があります。 また、賃貸オフィスでは、工事時間帯の制約や消防法に基づく規制など、ビル管理会社のルールを確認することが重要です。 高すぎるパーテーションは空間に圧迫感を与える可能性もあるため、オフィス全体の広さや天井の高さを考慮し、適切な高さと素材を選ぶことが大切です。

音への配慮

小規模オフィスでは、社員同士の距離が近いため、話し声や電話の音などが響きやすく、集中を妨げる要因となることがあります。そのため、音への配慮は非常に重要です。対策としては、吸音性の高い素材を壁や天井に使用したり、防音効果のあるパーテーションを設置したりすることが挙げられます。また、集中したい作業を行うためのフォンブースや個室ブースを設けることも有効です。BGMを流すことでマスキング効果を狙ったり、観葉植物を配置して視線を遮断することで、少し音の感じ方も変わる場合があります。これらの工夫により、お互いが快適な執務環境で過ごすことで生産性向が期待できます。

小規模オフィスレイアウトの事例|DE-SIGNグループ

我々DE-SIGNグループのオフィスは、59坪です。日本ビルヂング協会連合会では1人当たり4.1坪としていたので、推奨通りで言えば人数規模としては14~15名規模の企業向けの広さということになります。現在、DE-SIGNグループの社員数は80名を超えていますが、59坪という広さに対し、こだわりをもって運用と空間設計に工夫を重ねてきた結果、無理なく稼働できています。どこでも仕事ができる働き方を実現している点も大きいですが、DE-SIGNグループのオフィスにおける最大の特徴は開放的な空間設計にあり、空間を仕切る壁は設けず、機能ごとでエリアを緩やかに分けています。また、スケルトン構造の天井や間接照明、天井から吊るされたグリーンなどによって、視覚的な広がりを感じさせ、圧迫感のない空間となっています。

また、DE-SIGNグループのオフィスは、多様な働き方に対応できるように固定席は設けず、様々なタイプのワークスペースを用意しています。集中して作業できるロータイプのカウンター席や、チームでアイデアを出し合うためのハイタイプのミーティングスペース、そしてリフレッシュや来客対応ができるソファスペースまで、社員のニーズに合わせて自由に選択できる点が特徴です。DE-SIGNグループのオフィスは、単なる執務空間ではなく、社員が創造性を発揮し、イノベーションを生み出すための「場」として設計されています。開放的でフレキシブルな空間、そしてシンプルに飽きの来ない空間は社員がオフィスでやりたいことに集中できる場所です。自身の業務に応じて、個人が選択と集中をするよう促すことで、自律した働き方を実現しています。これは企業の成長に貢献につながっています。

小規模オフィスレイアウトのご相談もディー・サインにお任せ

社員同士の距離が近く、コミュニケーションが活発になりやすい小規模オフィスでは、会社のコンセプトを強く反映した空間を作りやすいです。一方で、収納スペースや人員変動への対応など、注意すべき点も多くあります。ディー・サインでは、オフィス環境が社員の行動や意識に大きな影響を与えると考え、単におしゃれなだけのオフィスではなく、規模や個性を活かしたスタイルで最適なオフィスづくりをサポートします。オフィス移転の予定がある、オフィス環境に課題を持っている方は、無料相談をお受けしています。参考事例を交えてサービスのご提案させて頂きますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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