[掲載情報]MODERNLIVINGにNEXT 10 CHAIRSを取り上げてい…
ディー・サインが起案した「NEXT10CHAIRS PROJECT」をMODERNLIVINGに取り上げていただきました。
FM(ファシリティマネジメント)担当者のコミュニケーションを目的に定期開催している「FM会」。オンライン開催になって30回目の今回は、株式会社リクルート様のオフィス見学会を開催しました。
今回のテーマは「オフィスのNEWスタンダードを目指して」。建て壊しが予定されていた築61年のビルを改装した新しいワークプレイスを見学させていただきました。
様々な企業・団体のワークプレイスマネージャー(ファシリティマネジメントの担当者)が業界の枠を超えて集まるFM会。日々のオフィス運用の中で発生する課題・悩みを気軽に相談できる、コミュニケーション会として発足しました。
FM会は、皆さんの知恵が『輪』となり、継続的に『輪』を広げていくことを目的としており、毎度開催場所を変え、オフィス見学や講演などを絡めながら、DE-SIGNグループが主軸となって有意義な会の運営を行っています。
はじめに、オフィス移転プロジェクトメンバーの株式会社リクルート 西田華乃様にご登壇いただき、リクルートの働き方やオフィスの歴史、今後の展開についても、ご紹介していただきました。
現在リクルートでは、2021年4月の会社統合を機に、首都圏のオフィス再編プロジェクトが進行中だそうで、首都圏各所のオフィスを順次オープンしているとのこと。
その進行中の首都圏全体再編プロジェクトの前段として、東京駅周辺にあった7つの拠点を1つに統合してできたのが、今回ご紹介いただいたオフィス「KUDANZAKA PORT PARK」です。このオフィスは、第34回日経ニューオフィス賞を受賞しています。
オープンしたのは、2021年3月。東京・千代田区の九段下にある築61年と建て壊し寸前の古いビルを丸ごとリノベーションしたという、スペシャルなオフィスです。また、駅徒歩1分という利便性の良さに加え、緑に囲まれた自然を感じられるというロケーションも魅力です。
ビルは5棟に分かれていて、広さは全体で約3,500坪。1500名の社員が使用していることに加え、他拠点の社員も自由に使えるサテライトとしての役割も果たしています。
九段下のオフィス「KUDANZAKA PORT PARK」では、NEWスタンダードという1つの大きな柱の元、4つの施策を実現しています。
NEWオフィススタンダードへの提言「オフィスをめぐる社会の転換期に、ファシリティの常識を疑い、新しい仕掛けを展開する」
4つの施策
コロナ真っ只中で進められた新オフィス構築プロジェクト。コロナ禍だからといって“守る“だけでなく、既成概念にとらわれない新しいスタンダードを創るという”攻める”姿勢は、多くの人がリクルートという会社に抱くイメージそのものです。
オンラインでのオフィス見学会を実施するようになってから、WEB会議システムのチャット欄を使って参加者の方たちに、オフィス見学をしながらリアルタイムに質問を投稿していただいています。今回も参加者の皆さんがチャット欄を使って数多くの質問を投稿し、西田様に回答していただきました。その内容も含め、今回の見学会でご紹介していただいたオフィスの特徴的な機能や取り組みの一部をご紹介します。
◆「タッチレス」の取り組み
・エレベーター
ボタンに2秒程度指をかざすとボタンが反応する仕組み。30年モノの既存のエレベーターにタッチレス機能を付加。タッチレス技術を持っている会社と組んで開発。
・自動販売機
ベンダーに依頼して、商品の取り出し部分の扉を外している。扉を外しても中の温度には影響がない。
・給湯室の蛇口
蛇口までタッチレスにしているオフィスは他にあまりないと思う。
・非常階段
非常階段を利用してフロアを移動する社員も多く、健康的。
・自動扉
共有部から執務エリアへ入るセキュリティの仕切りとして自動扉を設置。車いすを使う社員の出入りもスムーズに。
・無人コンビニ
出口のゲートを通る際に持っている商品の決済が自動で行われるオールスルー型の仕組み。ただ、システム会社の都合で運用の継続が難しく、現在は多くのコンビニで導入されているセルフレジの仕組みで決済をしている。オールスルー型はとても便利なので、早く当たり前になってほしい。
◆床を一切上げていない
・フラットケーブル
床にはカーペットを直に敷いている。電源はカーペットの下に置いたフラットケーブルで配線。断線はしない。昔からある技術だが、これまであまり普及していなかったよう。
・モバイルバッテリー
可動式のテーブルを使用する場合、電源はモバイルバッテリーからとっている。長く充電したい場合や複数名で使用したい場合は大きい方のバッテリーを使うなど、ニーズに合わせて使用している。すぐに切れて使い勝手が悪いなどという声は出てない。
◆クローズドな会議室を最低限にするチャレンジ
・造作のセミナーテーブル
ビート板と同じ素材で作っており、持ち運びが楽。よくあるセミナーテーブルは横にしかスタッキングできないが、このテーブルは縦に積み上げることができる。
・造作の間仕切りやカーテン
可動式の間仕切りでゆるやかな仕切りを作っている。会議室予約システムで予約ができるようにしており、区画を分けてシステムに登録している。複数の区画を繋げて使いたい時は、使いたい区画をすべて予約するという運用。音漏れが気になると思っていたが、一つ一つの空間を大きめにとっていることもあり、結果あまり気にならない。また、モニターに投影している画面は透過度を調整して見えないようにした。仕切りをしていない時の開放感は良い。
◆ファシリティの不具合対応
ファシリティで不具合が発生した時は、ビルカウンターに伝えてもらうか、オフィス相談シートというFormsの仕組みを利用してそこからアラートを上げてもらっている。全国のオフィスの不具合が1ヶ所に集まり、そこから内容によって仕分けが行われ、対応を進めている。
◆SDGsへの貢献
既存のものは使い続けることと、無駄なものは作らないことにしている。間仕切りは最小限にする、OA床を作らない、というのもその取り組みの1つ。
今回も沢山の方に参加いただき、ありがとうございました。オンラインで開催することで、より多くの方々に気軽に、また遠方の方々にもご参加していただいています。
次回ご参加希望の方は、Contactフォームからご連絡ください。
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