8.Oct.2015魅せるキャビネットTORSOO(トルソー)

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みなさんのオフィスにあるキャビネット(収納棚)はどんなタイプですか?
よく見かけるオフィス家具メーカーのキャビネットは、白か木目調のスチールキャビネットがほとんどですが、今回ご紹介するのは、一風変わったキャビネット「TORSOO(トルソー)」です。DE-SIGNでデザインをし、株式会社岡村製作所さんから発売している商品で、国内メーカー商品では珍しい、ポップなデザインが特徴です。
デザイナーのインタビューと共にお届けします。

デザイナー

株式会社ディー・サイン 
デザイナー 今村 剛

2013年に入社し、Amazon JapanやAutodesk Inc.、ソフトバンク・テクノロジーなどのオフィスをデザインディレクターという立場で手掛ける。そのほかにも海外のビッグクライアントを多数抱えるデザイナーである。

そもそも開発をしようとしたきっかけは?

今村:「岡村製作所さんとは、たくさんのプロジェクトでご一緒していたので、もともと関係性はあったんです。僕らはオフィスのインテリアデザインが専門なので、ほしい家具が見当たらないと家具をそのプロジェクトのためにデザインすることは多々あります。それで、いつしか“今までのオフィス家具とは違う何かを開発しよう”という話になっていました」

なぜ椅子でもなく、机でもなく、収納家具だったんですか?

今村:「オフィスで使われている収納家具って、大体どこもファイリングキャビネットなんですよね、スチールで出来ていて、白いものがほとんど。それって、“隠したい”っていう気持ちがあるからなんですよ。見たことありませんか?壁沿いにずらっと並んでいるような・・・。
あれは、中に入っているモノを隠したいし、あのキャビネットの存在自体も消したいという意図で配置されることが多いんですね。壁の白い色と同化させて、キャビネットの存在感を消したいんだと思います。

でも、この製品では逆にもっと魅せられるものにしたいと思っていました。それに、収納という1つのカテゴリーではなくて、収納にもなるけど、フリースタンドで置いたらそれ自体が間仕切りにもなるし、横に倒してコンソールのような台にもなる。二つ横並びにして天板をつけたら、テーブルと同じ高さになる。

この商品の組み合わせだけで、オフィスが作れるような、そんな新しい商品カテゴリーを作りたくて、すべての寸法もその可変性を考えて設計していました。」

開発中のイメージパース

今村:「最終的には、量産するためのバリエーションの制限などで、今の形に落ち着いたので、可変性の幅は少し狭まりましたが、それでも一般的なオフィス家具に比べたら様々な使い方ができますよ。」

今のカタチに落ち着いたのは?とても軽やかですよね。

今村:「そもそもオフィスの収納家具にデザイン性の高い家具が少ないので、今までの収納家具とは違うものにしたかったんです。
且つ、運用面でもA4のファイルボックスがはいる使いやすい収納を考えようと。意匠も機能も併せ持った新しい収納のカタチを作りたかったんです。

あとは、収納家具の一番下のスペースを潔く無くしたことですかね。収納の最下部って、使いにくくて取り出しにくい場所ですし、一番手を出しにくい場所なので、ここは潔く取っ払って空間をあけました。」

TORSOO(トルソー)という名前はどこから?

今村:「トルソーって、よく洋服屋さんにある上半身のみのマネキンのことなんです。思考段階を踏む中で、先ほどお話したように最下部の空間を空けることにして、脚をつけていき、擬人化をしていってこのTORSOO(トルソー)という名前が決まりました。」

今村:「トルソーという名前の通り、着せ替えるように見た目がいろいろ選べるものを作りました。ボディ部分と脚の組み合わせにより、さまざまな場に似合う見た目を作れます。

それによりファッションを楽しむように、様々なシーンに映える家具になりました。着せ替える感覚で身に着けるものや、ボディの仕上げを変えることができ、洋服と同様にどこから見ても見栄えの良い、そしてどこからでもアクセスが可能な家具にしています。
裏も表もなく置けるから、ちょっとした間仕切りにもなりますしね。」

今村:「設計段階では色も柄も、今よりもっと様々なパターンを考えていましたが、最終的には絞り込みました。その時に考えていたのは、日本の伝統色であることと、オフィス家具にあまり使われていない色ですね。

日本には独特の色があるんですよ。例えば桜色とか。そういうのをベースに色を決めたのは、ゆくゆくは海外展開も出来たら面白いかなと、思っていました。

もはやオフィス家具の中で働く時代は終わりを迎えています。オフィスだから家具はコレという固定概念は薄くなり、これからはこういった曖昧な立ち位置の家具と共に住む形が増えていくと思うんですよね。」

特設サイトはこちら

特設サイトでは、様々なTORSOOのパターンが見られます。

“着替える”というボタンを押すと、ドンドン着替えるようにデザインが変化していくので、ポチポチ押して試してみてください。

 

 

 

カテゴリー

オフィス家具 / プロダクト / デザイン

商品名

TORSOO

デザイナー

株式会社ディー・サイン 今村剛

販売

株式会社岡村製作所 http://www.okamura.co.jp/product/others/torsoo/

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